私が思い描く、介護現場の業務改善

なぜ既存のパッケージではなく自分でシステムを作ろうと思ったか?

 

両親が経営するデイサービスで、独自の業務支援システムKotobukiを開発しました。
介護事業所向けのパッケージやSaaSはすでに世にあるのになぜ自分で作ろうと思ったか?

私が思い描いた、介護現場の業務改善

親の会社では、既存のパッケージやSaaSでは”システムを使いこなす”ことが難しいのではないか?と考えました。

その理由は会社の事情もあります。
これまで導入しようとしたことはあったがうまくいかなかったこと、多くのスタッフがITに拒否反応があること、他業界のサービスをうまく取り入れるような文化がないことなど…

しかし、介護業界では全体的にIT化が進んでいません。
会社の問題ではなく、業界の問題として既存のパッケージやSaaSがうまく活用されていない現状があると思いました。

 

👩‍💻簡単に操作できて、現場主義なものを求めて

既存のパッケージやSaaSはケアプラン作成や介護報酬の請求といったお金に関わる部分は充実していますが、業務のフロントであるケアの記録や書類作成などの業務効率化に関わる部分にはあまり操作性の良いものがなく、使いこなしている介護スタッフはあまり多くないようです。
(介護業界の方へのインタビューから)

そこで、機能は抑えつつ現場の声を反映させたシステムを作ろうと思いました。
データがたまらなければ、先のことが考えられないからです。

 

👩‍💻現場のITリテラシー、気持ちの問題

デイサービスで働く介護スタッフの多くが”自分はアナログ人間だから…”と変化を嫌います。
70代の方やガラケーユーザーの方もいて、ユーザー体験がシステム側の人間と大きく違うということもあります。
非効率であっても、理解しやすい紙での運用を支持する方も多いです。

そういう方々が気持ちよく操作できるような設計はヒアリングをするだけではなかなか実現できません。
スタッフが言語化できない要求も吸い上げていく、小さく始めて少しずつ大きくしていく、必要なものだけ開発していくことが必要だと思いました。

👩‍💻介護報酬以外の事業所の独自メニューにも対応させたい

介護保険を使わない独自のサービス(お泊まり、お食事のみご利用、病院同行など)のことを考えると、パッケージやSaaSを使うにもその隙間を埋めるための作業が必要になります。
介護スタッフは介護報酬を意識してサービスを提供しているわけではないので、介護報酬に関わる部分だけIT化されている、というのもかなり混乱しますよね。
スタッフのアイデアで必要な書類やプリント(お誕生日カードや敬老会の表彰状など)を作ることもあります。
それらも自分たちのオリジナルで、かつ楽に作れると良いなと思いました。

70代のスタッフも簡単に操作

FileMakerを使った開発では、効果的にユーザーフィードバックを得ることができ、Kotobukiは70代のスタッフもガラケーユーザーのスタッフも使いこなして仕事をしています。

これまで時間が経つにつれ忘れられていた情報、共有されなかった情報もどんどん蓄積され、データの活用を考えられるフェーズにきました。

 

データは集めるだけではなく活用してこそ

これまでは2次利用、3次利用できる状態のデータがまずありませんでした。
Kotobukiを使うことで、使える状態のバイタルデータや顧客情報がたまってきて、これらを活用することが考えられるようになりました。

💡セールステックとして

セールステックとしての機能を強化したり、データを使って新しいサービスを考えたりと、事業所がIT化の主導権を握ることで可能性が広がります。

現在KotobukiはCRMとしても機能していますが、さらにセールステックとして強化していきたいと思っています。

システム担当者が経営者と近いところで開発するからこそ、システムがITだけでなく経営戦略をもって成長することができます。

 

※CRM:顧客関係管理 詳しくはこちらをご参照ください

IT投資のリターンを最大化する戦略とは? コストカットは副産物

 

💡機械学習を使った介護予防、病気の早期発見は計画中

もう1つの目標である、バイタルデータやご利用者さんの様子を使った介護予防や病気の早期発見は現在、他の会社さんと一緒に計画しています。
ご利用者さんのデータは現在だけでなく未来のために必要です。
数値だけでなく、写真や音声なども使って介護や医療に役立てる予定です。

 

まだ道半ばではありますが、大きな目標としてはこのような構想で動いています。
システムを導入することやIT化は手段であり、業務改善が本質的な課題であると考えています。