ご利用者さんお一人おひとりに合わせたデイサービスの実現

茨城県取手市のデイサービスよりみち 代表の島田様にインタビューしました。

よりみちさんは定員が17名の地域密着型デイサービスで、ご利用者さんお一人おひとりに合わせたレクレーションや機能訓練を実施しておられます。

今回、アレグロペンギンにお声がけいただき、Kotobukiプロジェクトとしてよりみちさん独自のシステムを開発しました。

導入に至るまでの経緯や実際に一緒に取り組んでみてどうだったか、システムをどのように活用されているのかお聞きしました。

 

利用者さんと働く人にとって、居心地良い生活の場を作る

-事業のコンセプトや理念を教えていただけますか?

デイサービスは利用者さんの生活の場であり、働く人の生活の場でもあります。

そこで生活する全員にとって幸せを感じ、ひとりひとりが自分の居場所であると感じてもらえるようなデイサービスをコンセプトにしています。

大手の介護システムを利用していたが…

デイサービスの建物も木のぬくもりを感じる広々とした空間で居心地が良いです。

-よりみちデイサービスを開業された当初より大手の介護システムを使われていたそうですね。

はい。広告か何かを見て、大手の介護システムを最初から導入していました。

これのおかげもあって、デイサービスをスタートする際の最初のハードルを乗り越えることができたかな、と思います。

ただ、既存の介護システムを使い続けていると、そのシステムに依存したデイサービス運営になってしまい、だんだんと与えられた仕組みの中で思考停止になってしまう不安このままでは嫌だなという感覚がありました。

他の多くのデイサービスでも同じものを使っているということは安心感もありますが、デイサービスの独自性を出しにくい、という側面もあります。

デイサービスの運営を進めていくうちに、一度自分たちの業務を自分たちなりに設計したい、という気持ちが大きくなり、ICT化をその足がかりにできればと考えました。

-そんな中でアレグロペンギンを見つけていただいて、お声がけしていただきましたね。

デイサービスの業務改善、システムといったワードでインターネットで検索していて、アレグロペンギンのコンテンツに辿り着きました。

何度かWEB会議でお話しさせていただくなかで、事業所のコンセプトにあったシステムを作りたいということ、そのコンセプトについてじっくり共有することができ、Kotobukiプロジェクトを一緒に立ち上げることにしました。

現場のスタッフを巻き込んだプロジェクトはそのプロセス自体が組織づくりに大きく影響

ipad版のトップ画面

-最初は現場のスタッフを巻き込むことに苦労されていましたね。

そこに関しては、私の反省ポイントです。

実際の業務はスタッフに任せている部分も大きいので、スタッフにも話を聞かなければ進まない状況ではありましたが、なかなかKotobukiプロジェクトのことを切り出すことができず、停滞していた時期がありました。

しかし、瀬木さんにも介入していただいて、現場からも要求だしや議論を活発にできるようになり、参加しているスタッフも自分たちで作っていった実感が持てていると思います。

開発のプロセスそのものが研修と言いますか、利用者さん目線で自分たちの事業所の在り方を考える良いきっかけとなりました。

利用者さん個人に目が向くようになり、利用者さんも増えました

-Kotobuki導入による効果はどのようなものがありますか?

一番の大きな効果はスタッフの意識改革です。

朝からipadでKotobuki を操作していますが、Kotobukiに利用者さんの情報を入力する際に、他のスタッフが入力した情報も自然と目に入り、それがきっかけでスタッフ同士が利用者さんに関して話題にすることが増えました。

先日のスタッフ会議では、”気になる利用者さん”という議題がトップにきていて、会議の中でも一番時間を使った話題となりました。

以前はデイサービス全体のことが中心でしたので、利用者さん個人に目がいくようになったことは、大変な意識改革だと思います。

それから、ご家族やケアマネージャーさんへの報告も仕組みを整え、関係が構築しやすくなっています。お取引のあるケアマネージャーさん数名に、”どのような報告がケアマネージャーさんにとって有意義か?”ヒアリングさせていただき、その声を元にKotobukiで仕組みを作りました。

ケアマネージャーさんとの連携はデイサービスの運営において非常に重要で、その関係を太くできたことで、利用者さんを新たに紹介していただいたり、既存の利用者さんのケアにも役に立っています。

Kotobuki導入を決めたときは、コロナの影響もあり、経営的には苦しい局面でしたが、”環境を整えることが先”という考えで、プロジェクトを続けてきました。

パソコン版のトップ画面

現在では、利用者さんも順調に増えて経営的にも楽になっています。

利用者さんが増えたことには色んな要因があると思いますが、Kotobukiの効果やそれまでの開発プロセスの中で培われた組織文化による影響も大きいと感じています。

色んな話をしながら、業務改善に取り組みました

-アレグロペンギンと一緒に取り組んでみてどうでしたか?期待していたことは叶えられているでしょうか?

私としては楽しいときを過ごしたな、というのが第一の感想です。

ITというと即物的なもののようなイメージがありますが、福祉ということもあり、単なるビジネス的な付き合いではなくて、理念を共有できるかとうかも重要かと思います。

瀬木さんとは直接システムと関係しないような話も含め、色んな話をしました。

毎日使うシステムだからこそ、事業に関する想いや考え、日常業務で感じたことなどから一緒にシステムのアイデアを紡ぎだせたことは意味のあることだったなと感じます。

スタッフや取引先も巻き込んで、我々に馴染むシステムが構築できたんじゃないかと思います。

 

-ありがとうございます。最後にこれからの目標やビジョンを教えてください。

私はもう引退を考える時期にありますが、どのように引き継がれるにしても、よりみちらしさを大切に、みんなの心休まる場を耕しておきたいという気持ちがあります。

そのためにも、Kotobukiで蓄積される、私たち独自の利用者さんのデータをさらに人間的な利用、議論の入り口にできるよう、活用していきたいと思います。

 

【インタビューを終えて】

島田さんにはアレグロペンギンのホームページからお問い合わせいただき、すぐにWEB会議をご提案していただき、最初からとても強い熱意を感じました。

経営者さんがこのようにIT化、業務改革に対する気持ちが強いとプロジェクトがうまく進むなと感じます。

例えば、お話の中にもあった取引先へのヒアリングは私から提案したことですが、提案を受けすぐに直接ご自分で取引先まで足を運び、有益な情報を仕入れて来られました。

直接エンドユーザーである現場スタッフの皆さんがシステム開発に関わる際、現場の利益とプロジェクトの目的のバランスをとりながら要求を出す、ということは誰にとっても難しいことであると思います。

今回のプロジェクトでは、組織づくりもプロジェクトの目的のひとつであったため、そこにも時間をかけて、時にはぶつかり合いながら取り組みました。

最終的にはスタッフの皆さんが、利用者さん目線で業務フローを描くことができるようになり、ある業務をする意味や目的から、どのようにスタッフが動くべきか、どのようなデータを取得すれば良いかといったように、不確定性コーンを意識した意思決定ができていたと思います。

リモートでのやり取りで、ご不便をかけることも多かったと思いますが、お互いを尊重しながら、プロジェクトを育ててこれたのではないかと思います。

今回、よりみちデイサービスではKotobukiを導入するにあたり、ICT導入支援事業に申請し、採択されています。補助金も大きな後押しになり、一歩踏み出せたとのことです。

 

【よりみちデイサービス】

〒302-0017 茨城県取手市桑原6−3

父が語る、デイサービスでの業務改革の軌跡

アレグロペンギンの原点は父が経営するデイサービスでの業務改革でした。
その父に業務支援システムKotobukiについてインタビューしてみました。

 

独自のサービスでご家族にとっても無理のない介護生活を

おんせんケア の理念や事業内容を教えてください。

温泉を使って人の幸せを支えたい、という思いを軸に、デイサービスやお泊まりサービス、居宅介護支援事業所を展開しています。
ご利用者様だけでなく、ご家族や働いていくれるスタッフの幸せを考えています。

 

汎用のソフトを導入しようと試みたが…

–開発をはじめる前は、どのような課題がありましたか?

エクセルや手書きのメモを使って、デイサービスの業務をやりくりしていました。

エクセルから印刷した紙にその日のご利用者さんの体温や血圧といったバイタル情報、出来事などを手書きでみんなで記入し、1日が終わったときに、その情報をエクセルのシートに書き写して、日々の記録を管理していました。

そのようなやり方では、リアルタイムな情報共有が気軽に確認できなかったり、情報の検索が困難で、書類の作成も転記作業が多く生じていました。

汎用のソフトをこれまで導入しようとしたことはありましたが、自分たちには必要のない余計な項目が多く、書類ひとつ作るにも分量が多くなってしまったり、入力がしにくく、自分たちに適したものはないな、と感じていました。

では内製で作った仕組みはどうかというと、書類のテンプレートをエクセルで作成するくらいが精一杯でした。

 

ひとりで要件を整理し開発するのは難しいのでは

–Kotobukiの構想を聞いたとき、どのように感じましたか?

データベースを使ったKotobukiの構想を聞いたときは、

「そういうことができれば良いけど、開発するのはかなりのパワーがいるのではないか」

「データベースに落とし込むために整理するのは難しいんじゃないか」

と感じていました。

しかし、FileMakerの無料試用期間45日の間に利用者マスタやケアマネマスタなどがすでに出来上がっており、利用者マスタの詳細画面から基本情報だけでなく、ご家族やケアマネージャーさん、利用曜日といった情報が一目でわかるというところまで出来上がっていたので、

「ここまで作ったなら引き続き開発を続けてもらおう」と思いました。

(利用者マスタの内容は全てダミーです)

 

デイサービスでの介護の記録と介護保険がうまく繋がった

–実際にシステムが稼働してから、どのような効果がありましたか?

一度メモに起こしたりせず、スタッフのみんながそのまま情報をKotobukiに入れてくれるようになったので、即時性が高まっています。

書類の作成が楽になったり、ご利用者さんのご利用予定などの把握が正確にできるようになったことだけでなく、ご家族やケアマネージャーさんとの関係づくりにも役に立っていると思います。

例えばデイでのご様子から病院の受診を勧めるといったご提案をするにも、ちょっとしたことに気づくかどうか、ということが重要です。

シフト制で働いている職員も多いため、自分がいなかった時の情報を補完することが必要ですが、Kotobukiで気軽に確認できるので、気づきの機会が増えていると思います。

そのように情報を外部に発信するための動線がKotobukiで整備されました。

もうひとつ副次的な効果としては、Kotobukiで入力したことをslackで通知できる機能があり、その兼ね合いでslackのようなITツールを自然とみんなが取り入れる文化が生まれた、ということです。

 

–Kotobukiをどう思いますか?

最初に想像していたものよりも、ずいぶん良いです。

私たちの業務の流れの中で、必要な情報が必要なタイミングで表示されています。

特に、実績の確認をするための画面を見ると、サービスコードや加算といった計算の結果と実際のご利用の様子を自分の中でリンクでき、ひとつひとつの情報に納得しながら、実感を伴った作業ができます。

間違った請求をしてしまうとかなりその後処理が大変ですが、この仕組みはそういったエラーを限りなく0にしてくれていると思います。 精神的に安心でストレスが減りました。

各会社ごとに適したシステムができれば価値は高いと思います。

FileMakerで作られていることは意識せずとも活用できている

-FileMakerをどう思いますか?

Kotobukiを使うときに、これがFileMakerで作られたものであると意識することはないので、正直なところよくわかりません。 ユーザー自身も学んでいくと、高度な検索ができるのかな、と思っています。

Kotobukiのような仕組みを一人で構築できるというのは、良いシステムなんだろうと思います。

(画像に表示されている利用者名はダミーです)

 

–父親としてはアレグロペンギンの活動をどう思いますか?

一気に集中していつの間にか何かを作り上げている、というようなことが子供の頃からあって、幼稚園で親からの評価を聞かれたときにも、創造性がある、と回答したことを覚えています。

人からの意見を抽象化するようなことも得意だと思うので、そうした特性がシステム開発やコンサルティングに向いているんじゃないでしょうか。

そういった特性を伸ばしながら価値を高め、気楽に、ちょうど良い規模で頑張って欲しいです。

 

 【インタビューを終えて】

私の思いつきで半ば強引に始まったシステム開発でしたが、開発を始めてから5年以上が経ち、組織に根付いていることを嬉しく思います。

Kotobukiのようなシステム開発する際、システムも業務に組み込まれる人格のひとつのように捉え、運用中のシステムとユーザーさんの会話を想定しながら設計しています。

今回、業務の中で必要な情報が必要なときに表示されている、情報の見せ方によってストレスが減っている、との声を聞くことができ、会話がうまくいっているようで嬉しいです。

介護業界はコロナの影響で大きなダメージを受けていますが、デイサービスの利用により、元気に生活できている利用者さんがたくさんいます。
Kotobukiもデイサービスの運営・経営を助けることで、ご利用者様やご家族に貢献できればと思います。

 

 

▼こちらの記事もぜひご覧ください。

●clarisブログに掲載していただいた記事
DX 実現へ。介護現場の取り組み

●Qiita開発事例紹介
デイサービスで自社システムを作って楽をしています

うちの会社はIT化に後ろ向き、と悩んでいる社員さん

先日知り合った方々とのお話が、職場のお悩み事としてとても切実に感じられたので記事にしてみたいと思います☕️

働いている会社の業務オペレーションがアナログで無駄が多い、IT化を推し進めたい気持ちがあるがどう説得すれば良い?といったことでした。

働いている会社の体質がアナログで、仕事に無駄があるんじゃないか、ITで効率化したらもっと売上も上がるのに、といった不満を抱えている方は多いのかもしれませんね。

今回はそうしたお悩みをお持ちの方々に向けた内容にしたいと思います。

事業が維持できているのには意味があるはず

まずは、「こんなに無駄が多い、業務効率化しないと!」と働いている人が感じていながらも事業が継続できているということは、それでも利益が出ているということではないでしょうか?

その理由は何か?一度考えてみると良いかもしれません。

それを踏まえた上で、あるべき姿を考え、それでもその過程でやはりITが必要か?考えてみましょう。

 

今の業務をそのままIT化するだけでは、IT投資のリターンを回収できないかも?

業務効率化、という切り口ではボトムアップのIT化がなかなか難しいと思います。

事業が維持できているのには意味があるはず…と書きましたが、無駄が多い業務オペレーションでも社員が各々工夫しながら動いてくれて、利益をあげてくれているなら、経営者としては、わざわざ業務を効率化しなくても良い、となるからです。

人件費<業務効率化にかかる費用 で業務効率化する必要がない、という場合もあるでしょう。

業務効率化の手段としてIT化を推し進めるには、どのくらいの期間で 人件費>業務効率化にかかる費用 になるのか、その計画が説得力のあるものでないとなかなか稟議が通らないのではないでしょうか。

 

では、ボトムアップでIT化をどう提案する?

社員の立場からIT化を推し進めたいという場合、業務効率化といった経費を抑えるという方向性よりも、売上を上げる方向で提案する方が提案しやすいのではないかと思います。

 利益=売上-仕入

使えるお金を増やすのに手っ取り早いのは収入を増やすことなのに、なぜか使うお金を節約することばかり考えてしまう、というのは個人レベルでもよくあることです。

これはダイエットをしようとしている人が、食べる量を減らした方が楽なのに運動を頑張ろうとするのに似ていると思います。笑

 

パン工場を作る前に、まずは美味しいパンのレシピを考えてみましょう!

例えばパン工場を作るにも、レシピが良くないと、いくら工場で楽に量産できても利益が上がりませんよね。

納得いくレシピができていないのに、工場を作ろう!とはならないはずです。

社内システムを作るのも同じです。

 

まずはアイデアや仮説を立てて、美味しいパンをひとつ作ってみましょう。

顧客体験をフロー図にしてみると、何かアイデアが湧いてくるかもしれません。

業務の棚卸し、というと業務遂行者の視点が先行してしまいそうですが、顧客体験とその業務オペレーションがどう繋がっているか、ということが見えていないと施策を出すことは難しいです。

小さなアイデアは、まずは手作業でも何度か試してみて、効果を記録してみましょう。

そうすれば、そのアイデアを再現するための仕組みを構築したときの効果が推定できるはずです。

 

 

パン工場の建設計画ではなく、新しいパンの提案

提案の仕方も重要ですね。

美味しいパンをお客様に届けるための提案なのに、パン工場の建設を強調してしまうのは勿体ないです。

小さく試してみた結果とそれを再現した場合の利益、顧客に対する新しい価値提供など、未来に希望を持てるような提案が良いと思います。

そのレシピを再現するために、このような社内システムがあったらいいね、という提案が自然だと思います。

この流れを実現できる場合、アイデアを小さく試している時点で売上が少し上がっているはずなんですよね。

そこも提案が通るためのポイントのひとつだと思います。

 

 

私の最近の活動で、こうした業務改善に関する流れからサポートすることも多くなってきました。

パン工場の建設の前に、美味しいパンのレシピを考えることのできる組織づくりが必要ですからね。

内発的にそのような組織が作られようとしているのは素晴らしいと思います。

ぜひ今後も見守っていきたいと思います。

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FileMakerで開発した社内システムが組織にもたらす効能とは?

FileMakerで社内システムを作りたい!という方は、FileMakerにどんなことを期待していらっしゃるでしょうか?

 

もっと業務をスムーズに、省力化したいという期待

簡単に、安く開発できるのではないかという期待

FileMakerと他のサービスとの組み合わせで業務の課題を解決したいと思っている方もいらっしゃるかもしれません。

 

今回は、FileMakerで様々な企業の社内システムを開発している私が思う、FileMakerで開発した社内システムが組織にもたらす効能をご紹介したいと思います。

 

業務改革プロジェクトとして取り組むプロセス自体が、組織の活性化につながる

小さく始めて大きく育てる、というつもりでも、計画は必要です。

現場の方が自分の周辺の業務をFileMakerを使って良くしたい、というような計画であっても、

FileMakerのライセンスや開発するリソースなどを投資することになります。

そうした場面では、コンセプトやゴール、どこにどれだけ投資するか?その投資をどのように回収するつもりなのか、計画する必要があります。

その計画するプロセス、そして開発に向けて顧客体験や業務フローについて考え、それをシステム要求、要件に落とし込んでいくプロセスを体験すること自体がその組織の活性化につながっていると感じます。

現場の方(システムユーザー)がシステムへの要求を担当者や開発者に伝える際、現場の当たり前や業界の当たり前も含めて客観的に説明する、ということが必要になります。そして、それについて様々な質問されたり、深く理由を聞かれたり…

そうした議論や対話を通じて、一旦自分の業務を俯瞰してみることができるのではないかと感じています。

開発者側も現場の当たり前を推測できるようになるからということを差し引いて考えても、伝え方が上手になっていたり、「こんなことができたら良いんじゃないかな」という良いアイデアが出てくるようになる現場の方が多くいらっしゃいます。

 

データモデリングでビジネスロジックを再確認

FileMakerの基本はやはりデータベースにあると思います。

データモデリングが不十分な状態で、いきなり何かの機能を開発することは近道のようでロスが大きいです。

業務のロジックに合わせて、データモデリングをしていきます。

顧客とはどのような方々か?業務を整理整頓すると、そこにどんなルールがあるか?

そもそも、その業務のステップはいるのか?それで良いのか?

そのような確認の時間に、色んな問題が片付くこともあります。

 

すぐにIT化できる体験によって、組織の企画力がUP

データモデリングが十分にできているFileMakerシステムに限ったことですが、

FileMakerで開発したシステムの運用が安定してくると、そのシステムは日々の業務を支えるだけでなく、すぐに新しいアイデアをみんなで試せる環境が手に入ります。

その環境を活かそうとする動きが自然と高まる場合が多いのではないでしょうか。

いつも使っているシステムからデータを分析して、そこからアイデアが生まれたり、そのアイデア自体が社内システムの新しい企画になったり。

ユーザーである現場の方が「社内システムでこんなこともできないかな」という提案をして、それが形になり、職場の他のみんなも喜んで使っている。それは提案をした方にとっても大きな達成ではないかと思います。

こうした体験が社内システムに限らず、仕事全体が楽しくなるような良い影響になっていると私も嬉しいです。

 

組織への効能まで設計できると良いのかもしれない

夢物語に聞こえるかもしれませんが、私が実際に開発者として携わっている方々のお顔を思い浮かべながら、書いてみました。

FileMakerの直接的な効能というわけではないですし、全ての組織に当てはまるものではないかもしれませんが、FileMakerの開発スピードやデータモデリングを必要とすること、ローコード開発なので開発者とユーザーさんが近い距離でいられることなど、うまく味方につけることができると、このような組織への良い影響が生まれます。

私が最近感じているのは、このような良い循環が生まれるには、開発者と現場の間を取り持つシステム担当者(プロジェクトオーナー)の役割がとても重要であるということです。

そこに関しては私も色々と研究中で、またブログで発信できればと思います。

 

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最近は仕事環境の向上に取り組んでいます

 

以前は福岡市内のお客様企業に出向いて、その場で開発する時間が割合多く占めていましたが、

最近ではそのシステムもリリースから1年弱が経って運用が安定しており、その他のお客様がほとんど県外なので、リモートワークの時間が増えてきました。

 

▼福岡市内の企業でのお話はこちらで少し紹介しております。

コロナ禍でますます注目の、セールステック+内勤型営業スタイル

こちらの福岡市内の企業さんは、会社に出向いて設計開発して欲しい、とのことで、

ヒアリングやフィードバックも密に行いながら、社員の皆さんと同じ空間で開発していて、リリース直前には毎日通っていたときもありました。

 

新たなIT企画とその開発で、週に1回はこちらに今も出社しているのですが、ほとんどの時間が家でリモート会議・開発する生活スタイルになったので、

改めてもっと家の仕事環境を整えよう、ということで少しずつ改良していっています。

 

DIYに燃える

まず、PCディスプレイを大きいものに変更し、生活空間と分けるためにパーテーション棚を自作しました!

色々と便利なグッズを活用し、DIY初心者の私でもなんとか思い通りの家具を作ることができました。

これで、必要なものを取り出しやすい、快適・集中空間ができました。

あとは良い椅子を今注文しているので、これが届くとより快適になりそうです。

家とは別に、コワーキングスペースも利用しています

気分的にメリハリをつけるために、コワーキングスペースも利用することにしました。

個室もあるので、開発しても良いのですが、モードを変えるための時間で使っています。

例えば、今この記事もコワーキングスペースの個室で書いています。

色んな本が読めて、飲み物も用意してくれて、色んな良い椅子やデスクで作業できるので、気に入っています。

https://www.yazuhonya.com/

場所を変えることや移動で少し気分が変わることもありますが、

本を読んだり何かPC作業をしている人と同じ空間にいるだけで自分もスイッチが入り、家に帰っても開発が捗ります。

 

どんどんアップデートしていきたいですね

快適な空間、ゾーンに入ることができる条件は人によって違うと思いますが、私個人も変化する生き物なので、それに合わせてアップデートしていきたいです。

何か良い情報があればぜひ教えてください。

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生産的であることと創造的であるということは両立できないという話

私のお気に入りPodcast 若新雄純の「あたらしい経営?」の話で、なるほど!と思った話をシェアしたいと思います。

第44回「質問:アイデアがポンポン出る組織風土を作るためには?」

アイデアがポンポン出る組織を作れと言われたんだけどどうしたら良い?、という質問の回です。

若新さん曰く、アイデアがポンポン出るのは「許された場」である必要があるそうです。

じゃあその逆で許されていない場とはどういう場かというと、

例えば偉い人から順番に話さないといけないとか、方法もセットでアイデアを出さないといけない、とか、そういった規則がいくつもある場。

普通の会社によくある光景ですね。

 

新しいアイデアは自由な発言が許されていて、それを共感する場、膨らませる場があって育っていくものなんじゃないかということです。

アイデアの種、断片を潰さない場が必要、ということをエピソードと共に話されています。

 

そういうアイデアがポンポン出る場を作るには、一旦生産性ということは捨てないといけない。

普段のお仕事で生産性を高めましょう、というモードと新しいアイデアを出しましょうという創造的なモードは両立できないんじゃないかと。

 

生産性というのは、多くの場合それは「再生産性」である、と。(なるほど…!)

勝ちパターンにはまっているものを再現するようなことです。

そういう時間と、じゃあ新しいアイデアを出しましょう、というのはちょっとモードの違う話なので、分けて考える必要がありますよ。

というような内容でした。

 

私自身の仕事では、

お客様企業の勝ちパターンを聞き出してそれをもっと抽象化したり、社内システムでその勝ちの再現性を高めていくにはどうしたら良いか、考える時間や

向かいたい方向に近づくにはどうしたら良いかを一緒に考える時間など、お客様企業の経営者だけではなくて、社員の方にもアイデアを出してもらう場を取り持つことが増えてきています。

そんな中で、モードが違うんだよ、という話はそういう場を作るための出発点になりそうです。

 

私自身はどちらかというとアイデアを出すのが好きですが、ある組織からアイデアを出す、というのはまた違った話ですよね。

若新さんはこの質問のような場合、アイデアはある個人から出るものというより、その場が生み出すもの、という話もされていました。

場から生まれたアイデアって良いですよね。

 

人が集まって、話が盛り上がって、

「じゃあこうすれば良いね」「それならこんなこともできるんじゃないかな」と、どんどんその場で面白い展開になることってありますよね。

それを再現しようと思うと難しいですが、「許された場」と「生産性は一旦捨てる」を頭に入れておくだけでも、良いコミュニケーションに近づきそうです。

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もうちょっと気軽にブログを書いてみます   

これまではしっかりした、真面目な内容のブログをたまにしか更新しないスタイルでやっていましたが、ちょっと実験としてもうちょっと気軽にブログを書いてみたいと思います。

そう思った理由がいくつかあります。

 

文章を書くにも筋力が必要

たまにしか文章を書かないスタイルだと、書こうとするときの”よっこいしょ”という掛け声が必要になります。

毎日少しでも良いので、文章を書く習慣をつけるともっと楽に良い文章が書けるんじゃないかと思いました。

読む方も何日も下書きボックスに入れられた文章を読むのは疲れるんじゃないかと。笑

最近リングフィットという運動するゲームをほぼ毎日やっていて、ちょっとずつ筋肉が育ってきています。

昨日より今日の方が楽に同じ動作(ゲームの中では敵を倒していきます)をできる、ということを実感しました。

文章を書くのも同じだろうということです。

 

 

個人的なこともちょっと書いても良いかも

お客様先でも、最近情報発信の設計を一緒に考えていて、

「仕事に関係のない個人的なことを配信したときに意外と反応があったよね」

という話になりました。

まず自己開示をすることは大切だよね、ということで、私もその要素をもう少し増やしてみようかと思いました。

「ブログ読んだよ」って言ってもらって、そこから話が広がるようなことがあれば嬉しいなと思います。

 

 

勢いのある文章を書きたい

先ほども言ったように、何日も下書きボックスに入れておくんじゃなくて笑、

ばーっと書いた文章の方が読みやすいんじゃないかと思います。

書く習慣をつけて、勢いがあって、でも勢いだけではない文章を書けるスキルを身につけたいです。

 

おしゃべりも好きだし、文章を書くのも本来好きなので、もうちょっとそこを自由にできるように、

やってみます。

 

色々と理由を書いてみましたが、最近読んだこの本の主人公に憧れたというところもあります。笑

 

 

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社内システム開発を依頼する前に、やっておくと良いこと

私がFileMakerでシステムを開発するようになったきっかけでもある、父が経営するデイサービスでの事例に多くの方が注目していただいています。

カンファレンスでこの事例についてお話したときに、システムの開発で難しいのはむしろ開発に着手する前なのだ、といったことをお話しました。

今回はシステム開発に着手する前の、業務改善の取り組み方をもう少し掘り下げてみたいと思います。

システム開発は、要件定義→設計→開発→テストの要素でできていますね。

いきなり開発を始めるのではなく、要件定義が社内システムの肝ですよ、ということもそうなのですが、それ以前のIT企画までの部分まではユーザー企業内でできることが多いです。

業務改革のサイクル

業務改革、業務改善は現状を否定することではありません。

世の中は日々変化していますから、業務だけがそのままで良い、ということはどんな会社でもないと思います。業務改革は問題点や課題があるから取り組むものというだけではなく、新しい価値を作っていくために取り組むことです。

ただ、〇〇が流行っているから取り入れよう!といったスタートではうまくいかないでしょう。

  • 業務の全体像を把握する情報を集め
  • 事業全体の戦略・施策を立てる
  • その中でITが手段として適していることが要件定義の元ネタに

ここまでがIT企画の前に必要な下地になっています。

業務の全体像を把握する情報を集める

そもそも業務の全体像を把握するための情報を集めるのが大変という会社も多いのではないでしょうか?

アナログなやり方でも、業務の全体像を把握する情報が集まってくる仕組みがあって、それを元に施策を考えることができているとすれば、ITツールを導入をしているのにデータを活かせていない会社よりもずっとDXに近いと思います。

アナログなやり方では追いつかないくらいデータが多かったりデータ構造が複雑な場合は、データ構造をモデル化して業務の中で自然とデータが取れるように、ということも社内システムを構築することのひとつの目標になると思います。そこが最初のメイン目標になる場合、社内システムの構築・安定運用がゴールではなく、そこがある意味スタートラインなんだ、という意識で取り組むと良いと思います。

全体を俯瞰するために、まずビジネスモデルってなんだっけ?といったことから始めてみても良いと思います。

事業全体の戦略・施策を考える

戦略という言葉が出てくると、胡散臭く感じる方もいらっしゃるかもしれません笑

システム開発をしてほしいだけなのに、なんでそんなことまで、とも思われるかもしれません。

しかし、社内システムは業務に大きな影響を与えうるものなので、ユーザー企業が”何を大事にしているのか”ということがわからないと、ちんぷんかんぷんな社内システムが出来上がってしまいます。

難しく考えず、まずはああしたい、こうしたいといった希望を出していきましょう。

例えばこんなことでOKです。

  • お客さんに別々の社員がそれぞれ同じ質問をしなくて良いようにしたい
  • お客さんをもっと増やしたい
  • 担当者が休みでも、他の社員が対応できるようにしたい
  • ある商品を購入したら、それが次の商品の購入を促すものにしたい

ITで解決できそうなことに限定しシステムへの要求を出していくと、ユーザー企業内で”ITで解決できそうなこと”と思われていることに対してしか要求を出すことができません。

しかし、全社的なビジョンを開発者にも共有していただければ、”こうすれば、(ITで解決できるとは思ってなかった)その課題も解決できそうですよね”と新たな視点が見つかることがあります。全体の戦略や施策から、”こういうことも求められているんじゃないでしょうか?”と言語化できなかった要望が明らかになることもあるかもしれません。予算やスケジュールが決まっているとしても、まずは一旦”こうしたいよね”という希望を吐き出してみると、それがシステムへの要件定義のネタになります。

希望を吐き出しきったら、それらを抽象化していきます。

そうすると、自ずと全体の戦略や施策やそのためのタネのようなものが浮かび上がってくると思います。

システム開発プロジェクトの立ち上げ

業務全体に関する情報が出揃って、やっとシステム開発のプロジェクトを立ち上げる、という段階になります。

開発者に依頼する前に、プロジェクトのコンセプトや優先事項をある程度決めておくとさらに良いです◎

社外の人を巻き込んだプロジェクト

ここまで開発者に依頼する前にやっておくと良いことをお話してみたものの、”社外の人を巻き込んでプロジェクトを立てる”という経験がないとこのように段取りできない場合が多いのではないでしょうか?

アレグロペンギンでは、ここまでの段取りをユーザー企業と確認し、要件定義の前の準備から伴走しています。

特に、社内システムの運用は安定してきてさらなるIT企画を考える段階では、”ここからが本番ですね”という意識を共有しています。

システム運用により明らかになったデータが示すことは何か、データをどう活用していけば良いか、といったことから経営企画、IT企画を考えるためのチーム作りもお手伝いしています。

ITとビジネスがうまく繋がり、業務改革のサイクルが回り出すための最初の力はこうしてIT側から添えてあげるのが一番効果的なのではないかと思っています。

コロナ禍でますます注目の、セールステック+内勤型営業スタイル

最近私の中で、九州はインサイドセールスが得意という話がホットです。

というのも、私が定期的にお伺いして社内システムを改修・開発している福岡市内のお客様がまさにそのような営業スタイルで、FileMakerをうまく活用されているなと近くで感じています。

九州の企業が得意なインサイドセールス

コロナ禍でこれまでの訪問型営業が以前のようにできなくなって、新たな営業スタイルを模索している会社も多いのかなと思います。

そこで注目されているのが、アメリカなどの国土の広い国で発展してきたインサイドセールスです。

社内(あるいは自宅)にいながら、離れたところにいる方もターゲットにしてセールスしていきますが、セールステックを使うことで適切なタイミングで連絡を取り、蓄積された情報からより確度の高い提案ができます。

アメリカ式のインサイドセールスですが、日本でも首都圏から離れている九州ではコロナ前からインサイドセールスで成長してきた会社が多くあります。

例えばジャパネットたかた、やずやなどです。

ジャパネットは特にイメージが湧きやすいですが、コールセンターだけでなく収録も佐世保で、自社でやっているみたいですね。

オフィス代や従業員へのお給料などの経費が東京と比べると少なくて済むけど、全国にお客さんがいる、という状態です。

 

デジタルの時代でも最後の決め手はコミュニケーション

こういうサービスを展開する上では、情報処理のボリュームが多く、スピードも求められるため、独自なデータベース不可欠ではないかと思います。

見込み客、顧客とのやり取りなどの記録から、請求書を作ったり、売上・入金管理など…包括的な社内システムがあれば、あとは人間にしかできない仕事に集中することができます。

顧客に興味を持ってもらえるような情報をメールしたり、WEBに載せたりすることはシステムでできますが、それだけではなくて、そこにコミュニケーションが生まれるかどうかが非常に重要です。

これだけデジタルの時代と言われている昨今であっても、やはり最後の決め手は一本の電話だったり、直接お会いすることだったりします。

人間にしかできない部分を強化するためにも、そのパフォーマンスを支える役割を社内システムが担っています。

 

ビジネスモデルの変革とともに変化する社内システム

コロナ禍でもあり、時代の変わるスピードがはやいので、ビジネスモデルや業務のオペレーションもそれに合わせてどんどん変革していかなくてはなりません。

そんな時代だからこそ、社員全員がIT戦略を考え、それをすぐにシステムに反映できる環境があると強いです。

福岡市内のお客様企業では、開発者である私とシステムのユーザーである社員さんが直接話し合って、システムの要件を決めることも多くあります。

例えば、顧客への提案の一部機能を社内システムで開発してほしいという場合でも、その全体設計を考えるための材料をご提案しながらシステムを開発し、システムの成功ではなくてビジネスの成功に目を向けた関わり方をしています。

システム担当者や開発者だけでなく、みんなで作る社内システム

社内システムを使って仕事をしている、というと機械的で冷たい、という印象を持つ人もいるかもしれません。

しかし、社内システムで開発したものはその先のお客様の顔を想像しながら作られた機能も多いです。

業務の中で体験した具体的な好事例をもっと抽象的に、再現性を高めるためにはどうしたら良いかと考える姿はホスピタリティに溢れています。

このような開発スタイルは、少数精鋭の企業にとって、社員のクリエイティビティを高めることにもつながっていると考えます。

中小企業デジタル化応援隊でIT専門家として登録されています。

中小企業デジタル化応援隊をご存知でしょうか?

https://digitalization-support.jp

中小企業とIT専門家を結ぶ、マッチングプラットフォームです。

 

1時間あたり国が3500円まで補助してくれて、相談したい中小企業は500円からIT専門家に相談することができます。

(つまり、相談したい人が支払う金額が1時間あたり500円でも、IT専門家は時給4000円ということです。)

 

請負ではなく準委任契約が取り交わされ、コンテンツ制作やデザインなどの成果物を納品する形の支援はここでは対象外ですが、IT企画の伴走、コンサルティングなどができます。

といっても、ここで繋がったIT専門家にこのプラットフォーム外で取引することは自由です。

 

この中小企業デジタル化応援隊は実はⅡ期目で、Ⅰ期目の終わり頃から私もIT専門家として登録されています。

 

Ⅰ期目では、介護事業所のIT化に関するご相談に応えたり、FileMakerの使い方を教えて欲しい、という内製化支援のようなことを実施致しました。

特に、FileMakerの内製化支援は1対1で、データベースとは何か?というところから、具体的な業務課題を解決しながら教えていくことができました。

学生時代には家庭教師をしていたこともありますが、1対1だとその方にあった説明でどこまで理解していただけたか?を把握できるので、良いなと思いました。

(逆に不特定多数の人に向かってわかりやすく何かを教えることは私は不得意ということもあるのですが)

 

中小企業として1度登録すると色んな分野のIT専門家と繋がることができますので、ぜひデジタル化の第一歩としてご活用いただければと思います。

 

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